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装用時間とPL法の影響


1995年7月に施行されたPL法(製造物責任法)により、製造した製品に欠陥があって消費者が損害を被った時には、製造者に賠償責任があることが定められました。この法律の制定によって、製造業を営む各社は、製品の安全性についてそれまで以上に注意を払うと共に、製品仕様上の注意を詳しく説明書などに記載しなければならなくなりました。

それにより製品によっては、「そんなの言われなくても分かっているよ!」と言われそうなほど、細かい説明や注意書きがされた説明書も見かけるようになりました。

このようなPL法による説明書への影響は、コンタクトレンズにも見られます。それまで、は装用時間を「10時間」や「12時間」などと長めに見積もって記載していたのに、PL法施行以降は「装用時間は医師の指示に従ってください」といった記述に変えた製品があったのです。

PL法施行以前から、装用時間を長くすればするほど、目にかかる負担は大きくなって、眼障害が起こる可能性も高くなることはよく知られています。しかし、それを知りながらもコンタクトレンズを長時間装用する人が後を絶たず、コンタクトレンズ眼障害の主な原因の一つに常に「長すぎる装用時間」が挙げられていました。また、メーカーが説明書へ記述した、長時間装用を助長するような時間設定に対しては、疑問の声を上げる眼科医も少なくありませんでした。

しかし、PL法によってメーカーの責任が明確に定められると、一転して「装用時間は医師の指示に従ってください」という記述に変えるといったメーカーがあったのです。

これは、メーカー側が責任を眼科医に押しつけたと考えることもできますが、それ以上に、コンタクトレンズの専門家である開発者が定めた装用時間よりも、人間の体・目の専門家である眼科医が定めた装用時間を守るべきだということの証明でもあると考えることができます。

確かに、メーカーもコンタクトレンズを開発する際に安全性について充分な検証は行っていますが、コンタクトレンズを装用するのは様々な人間ですから、健康状態や目の形、生活習慣などは人によってバラバラです。それを見極めて、その人にあった装用時間を指導できる眼科医の意見の方が、より適切と言えるでしょう。

こうしたことからも、PL法は、以前から問題とされていたコンタクトレンズの正しい装用時間の定義について、機械的に設定された時間を守るだけでは不充分という事実を再確認させるきっかけともなったというわけです。

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